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無雪期

白滝山(1526) 石堂山(1636) 矢筈山(1848) 黒笠山(1700) 津志嶽(1494)



徳島県美馬郡一宇村
徳島県三好郡東祖谷山村 
高知県香美郡物部村

ここで紹介している山々は、本州の著名山に比べると、登山道や指導標は未整備です。
それは自然が多く残っていて、この山域のいいところなのですが、この山域では、登山者は自己責任での行動が求められます。

コースタイムはご参考程度にしてください。

コースには 残雪はありますが 一応 四月なので 無雪期としてあります。

★2万5千分の一地図 「阿波中津」「阿波古見」

平成16年4月3日 晴れ

【コースタイム】
木地屋 最終民家の先駐車地点 6:20--県道土砂崩壊現場 6:25 -- 登山口 6:45 --石堂神社 7:16 -- 白滝山 8:19 -- 石堂山 9:08 -- 矢筈山 (10:27-1044) -- 黒笠山 (12:20-12:44) -- 津志嶽 (14:34-15:06) -- 160番送電線鉄塔 15:49 -- 161番送電線鉄塔 16:31 -- 県道赤松木地屋線 17:16 --木地屋 最終民家の先駐車地点 17:46 

【距離】
累計歩行距離 21.423km 累計標高差 2386m

【詳細】
県道赤松木地屋線は 平成15年3月の土砂崩壊以後 最終民家の先で通行止めが続いているが、木地屋 最終民家のすぐ先で駐車し、そこから歩く。

通行止め道路は柵がしてあり、工事関係者の工事車両だけ が通行しているようだ。

県道崩壊箇所は 昨年5月のときにあった 道路上の 土砂や なぎ倒された樹木は片付けけられているが、 見上げると上の方まで荒々しい傷跡が むき出しに残り 復旧には まだ大分 時間が掛かりそうだ。

登山口 から 山道に入り 廃屋を通過して 石堂神社へ。

石堂神社は 付近の木などが きれいに伐採されて 以前あった 社叢の大きな木々に囲まれた神社の面影は無くなっている。

7:41 四等三角点 1335.21m (ジオイド38.46m)

白滝山 「風冷たい 晴れ だが すこし 霞が掛かっている。」

稜線では 所々 残雪が残っていて 雪の上を歩く箇所が出てくる。

石堂山 9:10 「西の風 5m 2度 やや肌寒い 矢筈山 北側は まだ 残雪がある」

残雪箇所が増えてくる。

矢筈山 10:30 「3.5度 西風 5m」 黒笠山に向かう。

少し下ると 稜線の残雪に 付けられた トレースがあった。
真新しい足跡で 時間にして 1−2時間くらい前のものか。
縦走路北側に捲く所など まだしっかり残雪がある。

黒笠山近くになって 単独行の方とすれ違う やはりトレースの方だった。(落合峠からの黒笠山ピストン)

黒笠山 12:35 「 8度 3m 南風 気温が上がってきた。」

この時期 藪はまだ出ていないし、木々の葉が出てないので この先の 1506P 津志嶽 などの山姿が見えて 安心して歩ける

津志嶽 14:50 「12度 1m 風が弱くなって 気温が上がってきた。11ヶ月ぶりの山頂は すっかり 木々が伐採され 風景が一変していた。」

樹林に囲まれた 以前のような 趣を取り戻すのは 少なくとも20 年くらい先か。

一般道をそのまま下る 気が急速に失せ そのまま 北に 160番送電線鉄塔に直下降することにした。

津志嶽山頂より まっすぐ北に向かい、途中 枝尾根の 分岐に 気を付けながら急な尾根を下る。
途中 崖は適当に捲いて、いくが、そのようなところでも 通れる弱点をついたような 獣道が しっかり付いていて、遠慮無く利用させてもらう。

標高差 200mも下ると、獣道はしっかりしてきて、やがて人の手が入った道になってくる気配がすると 1230m位で四国森林管理局の 境界見出標 と 標石が出てくる。

地籍調査の為のか ピンクテープの導きに煩わされて 159番鉄塔の 方へ向かってしまうが 直ぐ引き返し、160番へ向かう。

160番鉄塔へ着く。慣れれば 大回りする ルートに比べ かなりの時間短縮になる。
ただ直下降ルートでは 花の時期には シャクナゲ ヤマシャクヤクなどは 見れないかもしれない。

送電線点検保線路を淡々と辿り 県道赤松木地屋線に降り立つ。

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★ コースメモ

● この時期 まだ 残雪が残り 標高の高い 稜線 北側部分 は 残雪の上を 歩くようになります。

気温が上がってくる 日中は そうたいした 問題はないでしょうが、冷え込んだ朝方 は クラストした雪面です。

● 黒笠山と津志嶽の間で、この時期は藪がまだなかったが、藪が多い時期は、見通しきかず、かなり時間がかかります。
ここでも 稜線北側に 残雪がありました。

● 津志嶽より160番送電線鉄塔への 直下降の下りは 一般山道ではなく 獣道ルートです。
地図では表現されていない 急な崖の区間があります。くれぐれも 自己責任にて 慎重にご判断して行動してください。

 木々の葉が茂る前なら 500m位先の 鉄塔の 姿が視認できながら 下れますが、藪や 葉が茂ってくると、ルートファインディングに苦労しそうです。

● 津志嶽と木地屋間は、送電線保守のための、鉄塔間の見回り用道であり、鉄塔間での、上がり下がりもあり、登山道として利用するには、誠に効率悪く、結構 時間がかかります。

道の整備状況は比較的いいものの、部分的には、一部獣道化しているところや、途中2カ所ほど(厳密に言えば 計3カ所)崩落箇所などがあり、通過には 細心の注意が必要となります。

●この崩壊箇所 は 以前より 大分 歩きやすくなってきています。

崩壊直後は 岩が 角張って 手が切れるくらい 尖っているのが 散乱していて 足の踏み場もないぐらいの 不安定さのなかを 倒木が幾重にも 積み重なった中を 上からの さらなる 崩壊に気を付けながら 速やかに通過する状態でした。

が、今回平成16年4月の通過は コースに少し人為的な手が加えられたのか あるいは 崩落が収まって 落ちつて来たからか 比較的に楽に通過出来ました。

●県道木地屋赤松線の土砂崩壊現場は、木地屋の最終民家の奥200m位のところで、かなり大きな規模で崩壊していおり、現在復旧工事中で 工事車両は通過しているようですが 上部の崩壊箇所からの復旧が必要で、完全復旧は、かなり先になるのではないでしょうか。

● 崩壊箇所の少し下の 砂防ダムは 崩壊土砂を蓄えて 満杯になり 警報装置が 設置されていました。 

●概念図

2004年4月3日etrex legend でのGPSトラックログ

カシミール(杉本智彦氏作)利用
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです(承認番号 平15総使、第387号)」

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お塔石 を横から見る 石堂山 矢筈山間で 残雪が遅くまで残る地点
矢筈山 への 最後の登り 矢筈山直下で 残雪が 遅くまで残る地点
矢筈山 黒笠山間 北側は残雪多い 黒笠山近くの縦走路 例年最後まで残雪が残る地点
黒笠山から矢筈山を見ると南面には雪がない 刈り払われた津志嶽山頂 登山者向けには過剰サービス
鉄塔近く 林業用作業小屋 跡 160番送電線 鉄塔

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★ 県道赤松木地屋線 土砂崩壊現場 

平成16年4月3日 工事中 平成15年5月17日 の 崩壊現場
下流 の砂防ダムは 土砂で満杯 警報装置
「片川に試練あたえし山くずれ
耐えてしめそう
無事救いし命にも」木地屋最終民家付近
全面通行止め

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★三角点 と 伐採

津志嶽山頂には 三等三角点があります。樹林帯の中でしたが それなりに 落ち着いた感じで良い山頂でした。
今回 11ヶ月ぶりの山頂は すっかり 木々が伐採され 風景が一変していました。
●同じ測量といっても 作業の目的によって 所管する 関係者の部署が全く違うので 迂闊なことは言えませんし、詳しい 測量技術のことは よく解りませんが、

測量の目的については 地籍調査のためなのか 三角点の測量のためなのか あるいは 森林管理局の調査か
もし私有林であれば 伐採は よくあることですし 文句の言える 問題でもないのですが。。。。

 どんな目的だったのかよく解りませんが、 山頂部だけの 木々の伐採が行われていたのです。

樹林限界を 抜け出ている三角点なら もともと問題は ないのですが、
樹林帯の山頂などで 三角点の 測量のために 周辺の木々を 伐採するのは 色々な山域で 時折 出くわしますが、 以前から とても疑問になっていたことです。

以前なら 渋々 納得できたことでしょうが 今の測量技術では 本当に必要なことなのでしょうか。

確かに 昔の測量は 三角点から 三角点へ見通さなくては 測量が出来なかったことであり 三角点同士の 視認などが大事でした。

ところが 今では 測量技術もGPS利用や電子技術の格段に進歩に即応して 過去の 三角点網 より GPS測量や電子計測に 重点を移した 測量を しているはずなのです。
ですから、こうした相変わらずの 昔のような 伐採が 本当に必要なのだろうか 疑問 に感じます。
●最新の測量技術では伐採しなくても測量は出来るのでは? どうしても伐採が 必要 であれば できるだけ最小限に出来ないでしょうか

詳しい 測量技術のことは よく解りませんが、

測量技術も進歩し 、GPSなどを使って精密な測量が簡単に出来るとしたら、周辺の木々を 無理に伐採する必要はないのではないでしょうか。

かりに GPSを使用しても出来るだけ 受信感度や受信エリアを拡大したいといっても 多少の 木々は 精度に影響することなく 関係なく作業が出来る 方策は もっと 考えられないのでしょうか。
樹冠を避けるのなら 木々の枝を 剪定する程度で 十分な場合 もあるでしょう。

GPSアンテナの位置を 上空に上げるための工夫は考えるべきでしょう。

実際 三角点の上に櫓を組んで 木々の上に三角点のポイントを 出すようにしたのを 時々見たことがあります。

航空写真 を 撮るにしても 上空に 持ち上げた 対空標識は よく見かけますし、
伐採するにしても 対空標識用の 三角点の 真上だけが 開けたらよいのではないでしょうか。

また 伐採がどうしても必要という 三角点測量でも ここと 向こうとの 見通しを限定した上で 必要な この木のこの部分などと ピンポイントとなる必要最小限の 伐採や剪定 にとどめることが出来るのではないでしょうか。

さらに 周りの木々を どうしても 伐採してまで 作業したいなら 無理に山頂の三角点でなくても 問題の少ないところに 三角点を 仮移転 するか 本格移転か 新設するかなどの 考えは出来ないのだろうか。

ここの場所だけは ことさら超精密な測量作業が必要で 絶対に 伐採しなくては 精度が出ないと言うのなら
そもそも  登山者が多く くるような山頂を このような精密作業の場所に選定するのは疑問があります。
万が一にも 人が多い場所は イタズラされて 動く可能性があるからです。

電子測量で 得た 情報と 既知の三角点情報との 整合性を測る 測量ならもっと 他にやり方がないのだろうか。

何年かに一度 必ず必要になる 測量なら わざわざ不便な 山頂でやらなくても 林道から 直ぐアクセスできる もっと 他の地点で 代替できるのではないだろうか。

社叢の木を 伐採してしまう のも 問題ですが、山頂の 自然を 変えてしまう 測量のための伐採も そろそろ見直すべきではないでしょうか。

昔 参謀本部の陸地測量部であったころは 測量に誰も文句など言う人もなかったでしょう。
 
その後も 多少の伐採は 大目に見てもらっていたことも あるでしょうが 現今の 自然保護の観点から  こうした 測量の伐採は 決して 時代に即した 作業ではなく 見直すべき時期に入っていのではないでしょうか。

自然へのインパクトを 出来るだけ 少なくするように 配慮した測量方法への 改善を 是非 期待したいと 思います。
● 登山者用 展望のための伐採は 過剰サービス

最後に もし 測量のついでに 伐採をするのは 別の意図があって、
 実は 
周囲の木が邪魔で 登山者の展望の邪魔になるから 観光用にと思って 伐採したというのなら、 これは 時代錯誤も甚だしい過剰サービスだと思うし、 これを聞いて 眺めが良くなってと 欣喜雀躍して 喜ぶ 登山者は まず いないと思います。
平成15年5月17日の津志嶽山頂 平成16年4月3日

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平成16年4月4日第一版

ご注意
この登山道は十分には整備されていません。険しい山道が続いています。
気象条件やあなたの技量と体調をよく考えて、適切な装備を準備した上で、くれぐれも慎重に判断し自己責任で行動してください。
自然へのインパクトを出来る限り少なくするよう心がけましょう。

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