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スノーシュー考


★ 雪国の人には 笑われるのでしょうが、

生まれが 温暖地ですから、そもそも 雪の絶対量が違います。
 「そんなの ラッセルのうちにも入らないよ 」 と雪国の人には 笑われる かもしれませんが。。。

★ 急速に広まる

スノーシューは日本では 雪山散策 や 山ボーダー(ゲレンデのスノーボードからバックカントリーへ出た人)の使用が多かったのでしょうが、 最近登山者に急速に広まっています。


★わかん から スノーシューへ

わかん は 木製 から スタートし アルミ製 を 随分 長い間使いました。
その後 スノーシュー が 出回り、 わかん スノーシュー 併用 の経験をへて 現在 スノーシュー へ全面的に移行しました。

平成9年頃からテストの意味も含めて使い出してた一代目から数えて、今は三代目のスノーシューを使っています。

スノーシューでは不安で いつでも わかんに履き替えられるよう 常に用意していた 時期もありまして、雪質 斜面 などを見てスノーシューとわかんを こまめに履き替えて、併用した時もありました。

やがて スノーシューの進化も著しく、テクニックも試行錯誤の結果 何となく 習得して、今では、積雪期、良く通う この山域では、私はもっぱら、スノーシュー派になっています。


★機種の変遷 三代目 四代目

1代目機種は 林道のような 平坦地を ラッセルするの時や 直下降などには良いが トラバースなど 横方向に弱くて わかん と 履き替えたりしました。

2代目 3代目は 「MSR の Denali Ascent 」です。
4代目は2004年シーズンから デナリevo ascentです。

今のところ 山で 結構使えるので 大変満足しています。

http://www.msrcorp.com/home.asp


横方向に強いのは 山中での 使用では 重要な意味があります。
横方向 への 強いことで、斜面からずり落ちないで 横滑りをしないという意味です。トラバースなど十分出来ます。雪山ではトラバースより直登という基本が ありますが 横方向に強いというのは 雪の斜面で 横滑りせず 安定した 登下降が出来ると言うことです。

この横方向に強いというのが 登山用では 絶対必要で 斜面が急になればハ型に開いてガニ股状にする時でも 横滑りがないことで 一発で足の位置を 決められます。(ヘリンボーンテクニックHerringbone Technique )

これで 適応範囲が 急速に広まったと思います。


また MSRの評価は スノーボーダーや 登山者 ではとても高いようです。 バックカントリースノーボードをされている方からも高い評価を受けています。

英文 ですが
かなり 率直な 使用レポートを 載せている WEBサイトがあります。
http://www.backpackgeartest.org/


★良いことずくめでもない点--- 破損
雪だけの所なら 壊れないのですが どうしても 岩混じりなどミックスのところなどで いちいち 脱ぐのも面倒なので そのまま 歩いていったりしていると そのうちに 次第に金属疲労がたまり  可動ヒンジ や プレートが 傷んでしまいます。本体の所プラスチック部分は丈夫ですので壊れませんが、やはり クランポン爪 など 傷んできます。もっとも 当然ながら 修理は可能ですが 山中で 壊れて  自分で修理して だましだまし 使いながら 山行を継続した 事もありました。

山中での ストーブの故障が、冬山では 大ピンチになるのと 同じで、 スノーシューの破損は重大な山行計画の変更につながります。昔 山中で 木製の わかん を 針金などで 修理していたこともありましたが、山スキーの人が修理具を携行するのと同様に、スノーシューの 山中での 多少の 修理は あらかじめ予想しておく必要があるかもしれません。

★フローテーションテール
 大雪の時などは フローテーションテール (延長アタッチメント)を取り付けて 更に 大型の スノーシューに変身することができますが 思いの外 取り回しに苦労しますので 通常の時は アタッチメントは あまり使っていません。

MSR延長アタッチメント(フローテーションテール)は、長くなった分だけ、取り回しが本当に大変で、ほぼショートスキーの操作感覚です。林道のラッセルや平坦地ではそれなりに威力がありますが、山中の急斜面で取り回すラッセルでは持て余すようなところがあります。たとえるなら、松の廊下の 長い袴のような感じでしょうか。

アタッチメントなしのほうが、登山の場所での 急斜面のクラスト雪面、上下やトラバース、斜め下降上昇すべて快適に行えるような気がします。

★最近の山行から 
全般的には 、スノーシューは スキーに比べ 持ち運びも楽で 適応範囲も 広く 登山者の 雪山での行動範囲は ぐっと 広がってきたと 感じる次第です。


★ストックとの併用
ストック二本を活用すると、 不安定なところでも、着実に、ラッセルできるようになります。
両手で バランスを取ると言うより、スノーシューと あいまって 急な斜面を 腕力も手助けしながら 四輪駆動車のような感じで、上体を 持ち上げていく感じで、難所をグイグイ、登っていきます。

ストックは 大きなバスケット (リング)のついた 深雪用が潜らず いいのです。ゲレンデスキー用 や 夏用トレッキングポール では しっかり潜ります。

★潜り方の 均一化
スノーシューでは 接地面積が増えて、接地圧が減ることで 潜らないとか、 また スノーシュー周囲の長さが増えて、より多くの雪の剪断力が 期待でき 潜らないとか 言われますが、雪質によりますが 柔らかい雪質などでは スノーシューでも  雪の上では多少とも 潜ります。

ただ スノーシューは 壺足より 潜り方が少なく 断然良いのですが、 ことによいのは 潜り方が 平均に 一定に なり ラッセルの ペースが掴めることなのです。
壺足の 潜りは 一歩ごとに 潜ったり 潜らなかったりで 極めて多くのばらつきがあり ペースが乱れて 疲れやすいのです。

一歩ごとに 潜ったり 潜らなかったりでは 累積標高差の上に 更に 一歩ごとに 潜りの 上がり下がりが 加算され とても大きな 労力の負担になります。

やっぱり  潜り方は少ないものの スノーシューでも 多少とも 潜るのですが、潜り方が比較的均一化していて ペースを乱さず 一定のリズムで ラッセルできます。

ただし ラッセルには ある程度の 体力と 焦らない根気は 必要です。 

★雪質 斜面 にあわせた テクニックを 研究する

今使っているスノーシューは 三代目ですが かなり進化していると 感じます。
スノーハイキング 登山 などで あらゆる雪質の 使用条件に適合するような 雪中歩行具として かなり この先も 更に発展し続けるのではないかと思います。

ただし 様々な 雪質条件の下で スノーシューの性能を それなりに十分引き出すには、その機種機種の特性に そった それなりの 技術が求められるような 気がしまします。

「雪と遊ぶスノーシュー テクニック & フィールドガイド」 栗田和彦著
2002年12月20日初版 山と溪谷社


★最後に 何より注意したいのは 安易に 雪の奥山へ 簡単に入っていけることで 起きる問題です。
自然保護の観点から スノーシューのブレードや クランポンが貴重な 木々草木を痛めつけないように十分気をつけることは当然配慮しなくてはなりません。また 野生動物の生息地も大事にそっとしておきたいものです。

ゴミの持ち帰りなど 登山のマナー はもちろん 守らなければなりません。

そして 無雪期とは 格段に厳しい、気象条件など、よく考え、雪の奥山へ、入るときの 危険を 十分認識して、それなりの準備と 装備を整えて くれぐれも 安全登山に気をつけたいものです。 


★ Don't Go "Barefoot" in the snow

"SNOWSHOEING"
BY Sally Edwards and Melisia Mckenzie
Human Kinetics Publishers


2015年冬 MSRライトニングアッセントを使用しています。



2004年2月3日 第1版制作
http://www.lnt.org/


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