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道迷い「迷わぬ者に 悟りなし」


「ツアー標識もない、ほとんど人の踏み込まないような山域をツアーしようとするとき、最も問われるのが正しいルートを見つけてゆく能力の高さである。
これを磨くためには、一回でも多くのツアー経験を積むしかない。
だが ただ回数を重ねれば 優れたルートファインディング能力が 身につくかというと、けっしてそうではない。いつも誰か先導者の後について行動し、ツアー中一回も自分でコンパスも地図も出さず、なんとなく頂上に着き、いつの間にか下へ降りてくる人、あるいは、年数は重ねているが、つねにシュプールのあるようなポピュラーなルートばかり、出かけている人の場合は、実戦的なルート発見能力はけっして高くない。
 ルートファインディング能力を磨く最良の方法は、自分が先頭に立ち、パーティーを正しいルートに導かなければならないという責任感の下で、真剣に歩を進めることを出来る限り多く体験することである。」 北田啓郎 
    「テレマーク・スキーイング」 日本テレマークスキー協会編 山と溪谷社 1989年

★様々な 道迷い

登山者が 道に迷って 下山が遅れ 大騒ぎになるのが 時々ありますが、 おなじ道迷いであっても 色々な 段階の 様々な 道迷いがあるようです。

★はじめから 登る山 行き先 が分からない

すべて人任せで、自分が何処へ行こうとしているのか、関心がないという人や
 人の後しかついていけない のに 山へきてしまって まったく  山名 地名に 不案内で どこから何処へ どういこうとしているか 分かっていない人も なかには いるようです。

パーティーを組んで山へいっている場合 先導者は よくわかっているにしても 後の人が みんな お客さんの気持ちばかりだと 色々問題が 出てきます。中で一番困るのは 全く 自分の行き先 登ろうとする山 コースなど 全く 関心がなく みんなと 一緒に来ているから 大丈夫だという 感覚だけで 一緒に来ているような お客さんたちです。
 大勢の中でも たまたま 独りになっているとき 万が一 離ればなれになって しまったりしたら 一気に 問題が表面化します。

みんな お客さんばかりで 誰もが 連れて行ってくれるという気持ちばかりを持っていると、 いざ 途中で 独り離れて はぐれたりすれば 大きな 問題になってしまうのです。

★他人の先導に頼ってしまうことの 問題点

大勢で登っている集団登山 で よく起きることですが 、すべての人が 同じレベルで 自分の位置は今どこで どちらへ向いて いっているのか どこそこまでの 所用時間は どのくらいでいけるかとか など みんなナビゲーションができているとはかぎりません。
大抵の場合 一部の 先導者の 後にくっついていく お客さんが 多数 といった 形になりやすいのです。

たとえ 経験者ばかりの パーティーでもあっても  そのルートに熟知した 人が パーティーに居たりすると その人に頼って しまう事になりやすいのです。

ですから 経験者であっても 何となく 知らない間に 頂上に着いて 気がついたら 下山したといった ことが起こりやすいのです。

この件について 下記のサイトは 大変 示唆に満ちていて参考になります。 
地図がガイドの山歩き様の 支湧別岳の記述

★誤ったルートに入りこんでいても 道に迷っているのに 気がつかない


ルートの間違えに気がつかないというのは それだけ 現在地の把握に 無関心ということかもしれませんが ルート自体 頭にはいっていないことにもよるかもしれません。
熟達者は 常に疑いを もって行動する といいますが  疑いがないと 道に迷っても いつまでも気がつかないで どんどん深みに入ってしまいます。 

★具体的な 読図方法を書いた とても参考になる本

” 「迷ったか?」そう思った時こそ、ナヴィゲーション技術の差が表れる。
冷静かつ論理的な判断、そして疑いを忘れない態度が、道迷いからの復帰を可能にする。”
 
 「道迷い遭難を防ぐ最新読図術」 村越 真著 2001年1月 山と溪谷社

技術的なのは 上記の本に 沢山出ていますが それらの技術を いかせられるか どうか 前提となる 大事なことは どんな苦境に 陥っても 冷静かつ論理的判断を  常に持って いられるかなのです。
村越 真研究室

★「 迷わぬ者に 悟りなし 」

「迷いのない人生  なんの誤りもないような人生は 味気ないものです」 とか言う 小説家の言葉もありますが、誰でも迷うものです。 迷っても 慌てることはないのです。

山での道迷いでは 深みに入らない ようにと いかに早く その誤りに 気付いて 的確に予防処置 し 常に 軌道修正が出来るが大事なことなのです。  そして 又 迷って 修正し その連続のような気がしますが、常に 冷静かつ論理的な判断能力を維持するには 精神的に 強靱さが 求められることになるのです。 

★迷うということは


空を飛ぶ 飛行機は 空中で漂流するわけにはいきません。
 いつまでも航路に迷って ウロウロしていると やがて 燃料切れで墜落してしまう危険があるのです。

しかし 登山者は そんな心配はありません。 
  
どうせ 地べたの大地の 上にいるのですから 気持ちの 持ちよう一つで 全く 変わってきます。

 道迷いを 楽しむような 気の持ち方で随分 変わってしまうのです。

そもそも 道に迷ってウロウロするということは それだけ あちこちと 歩き回って 沢山 山を 楽しませてもらっているということなのです。

 「正規の ルートだけを サッと 通りすぎるだけでは 少し物足りないのに こうして十二分に 山を満喫できるように あちらこちら 歩き回らせてくれて 本当に有り難いことだ。」  と深く感じて 「 山は いかに多くの魅力のある所なのだろうか 」などと感謝の気持ちで 道迷いに接することです。 

こうした気持ちを持つことで 焦りの気持ちはなくなり 今まで 焦っているときは 見えなかったことが だんだん見えてきて 思い出さなかったこと 見えなかった ルートや コースなどが 手に取るように 分かるようになります。

冷静かつ論理的な判断は 精神的ゆとりの もとで できるのです。

精神的な ゆとりを 常に持つということが大事なのです。

★精神的に 焦らないためには つねに 精神的 時間的なゆとりを 持つことが 大事です。


山で昔からいわれている 早出 早着 の原則とは 単に時間的な 問題だけでなく 常に精神的なゆとりを いうことなのです。

時間に余裕を持って計画し 行動中はいつもゆとりをもてるように 時間配分に気を付けなくてはなりません。

人気のない 登山道の不確かなところ を 普段から 歩いている方であっても 想定した時間配分より以上に 時間が掛かり 下山が遅れることは よくあることと思います。
そうならないように 時間配分には常に気を遣い 秋冬の日の短い季節でも 余裕を持てる計画 と 行動が 求められるわけです。

そして もし 計画通りにはいかないようだったら 適宜 計画を変更し 途中から撤退し 下山するとか エスケープルートなり 他のルートを 通って下山して 大騒ぎに ならないように する配慮が必要です。

天候 コース 藪 積雪 など 予期せぬ事は 多くありますが、
万が一 大幅に 下山が遅れるようなときでも 携帯電話などでが通話可能区域なら 連絡さえつけば 大騒ぎにならずに済みます。

それでも 騒ぎにならないように 留守宅には ある程度 下山が遅れた ときの ある一定時間経過までは 連絡を待ってみるなど 時間の経過についての 処置方法など あらかじめ 打ち合わせておけば、 ほんの数時間あるいは 日帰りが 朝帰りくらいの程度の遅れ で帰宅が遅れただけで 大騒ぎになる ような 事は避けれます。

転落事故などの 一刻も早く 連絡し 救助を求めなければならないケースも ありますが 単なる 道迷いによる下山の遅れなど そう急ぎでない場合 時間配分の悪さから 場合によっては野宿(ビバークという言葉は適当なのかどうかわからない)になっても ツエルトなどの装備ももって それなりに準備に怠りなくしていれば 追い込まれても 安心感があります。

日帰りでも 多少なりとも非常用装備を持つのには 万が一のため と それによる精神的余裕のためと考えれば 多少の重量増には我慢が出来ます。

そこまで していても 万が一  時間がかかって 降りてこれないケースも あり得ると思います。肝心なことは 山中でも 連絡がつく 方策 など もっと 考えてみる事が大切です。

連絡がつかないのなら、 さらに余裕を持った行動日程で計画し もっと 慎重な 時間配分などと 決断が 求められます。

★気持ちに余裕をもって パニックを 避ける

日没が迫る 。いつまでも 道が分からない 。携帯はつながらない。どうしよう。焦れば焦るほど 深みに入って 視野が狭くなってしまいます。パニックになると 急な斜面や岩場での 転落転倒事故は 起こりやすくなります。 夜道に 日は暮れぬと いう精神的ゆとりを持って パニックを 避けることです。

★道迷い用にGPSなどもっていても

道迷いで 気持ちが パニック状態のまま 焦っていては  的確に 役立つように GPSを使える状態には決してなりません。
気持ちを おちつけて じっくり 腰を据えることで GPSも生きてきます。 

「最新 GPS活用術」 村越 真編 2003年4月 山と渓谷社

『ドキュメント道迷い遭難』


『ドキュメント道迷い遭難』 羽根田 治 著  山と溪谷社 2006年1月


★関連 のページ  

歩いたところが道になる 
もともと登山道など無いところ をいく場合は こちらの方も見てください。

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2003年12月14日 第1版制作
2010年3月22日 最新改訂

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