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「乗合自動車は、たいてい稲核までしか行かない」 加藤文太郎
物持ちがよいからかもしれませんが、山登りを始めた頃の古い古い登山のガイドブックはいま読み返すととても参考になります。
今でも昔でも山稜線上のコースタイムなどははそうは違いませんが、今と昔では山稜に達する時間が断然違うのです。
それはアプローチの時間が全然違うからです。
昔のガイドブックには駅から徒歩9時間なんていう記述が普通に見受けられます。
実際私自身昔南アルプスの入山で普通道路を何キロも歩いた後に森林軌道20キロ歩いたこともありました。
時間のかけ方が昔はアプローチに十分時間を掛けじっくり腰を落ち着けて山にのっぼっていました。
しかしいまでは全然異なっていて林道終点まで,
スーッと車で上がって
ちょっと歩いて山頂に達し、すぐ下山するコースがメインルートとして紹介されています。
いわば半分以上車の登山であって、歩く時間の一番の少ない最短コースに概して人気が集まる現象があります。
一番時間のかかるロングコースは嫌われ結果的に空いています最近のガイドブックを見ると、こうした登山者の変化にただ唖然とします。
本当は山頂への途中の道のりがいいのです。
下からじっくり歩いて行ってこそ登山の楽しみは増すと思うのですがいかがでしょうか。
2002年10月10日 第1版制作
2006年3月20日更新
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