「趣味の山歩き ますます深くなる近くの山域」 趣深山 Copyright(c) 2002-2011
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登山口に登山者用の専用駐車場が整備されていれば問題がないのですが、登山者の少ないマイナーな山へ行こうとすると狭い林道では意外に駐車できるところは限られます。登山者は駐車スペースの選定に細心の注意を払う必要があります。ことに駐車場が一杯だったりしたら、往々にして路肩駐車などが行われることになります。少し広くなった所で駐車に適しているなと思っても、民家に近いところでは、地元の人の専用駐車場であったりします。決まったところに決まった車が駐車するのです。道沿いに家が見えなくても道の上か下の離れているところに民家があることが多いのです。また、山里の人は実に良く見ています。いつどこにどんな車が止まっていたか顔を会わさなくても、車の駐車でよく見る車だとか、盆正月に息子さんが帰省しているとか、実によく見られてしまっているのです。よく行くところでは道で突然顔を会わせても車を見て今までの素行が全部知れ渡っていると思った方がよいのです。
山里では平坦な場所など本当に少ないのです。
僅かなスペースでも貴重なのでそれなりに利用されきっている状態です。
ことに、山間地の主力産業が土木工事業になっている昨今の状況では工事用スペースがより多く、必要になってきました。
駐車場に適した土捨て場の跡等の広くなった所などは、工事関係者が工事関係の資材を置いていることが多いので、工事関係の作業場となります。無闇に駐車してしまうと工事の妨げになります。そこも避けなければなりません。
私は工事場所に近いところでやむを得ず駐車するときなどは、工事関係の人を見かけたら駐車の可否を尋ねるようにしています。今まで工事がなかったところでも、次の週には工事が始まっていたりするのです。
批判の多い観光用林道を除き、一般的には、林道はもともと林業用の目的で作られて、登山者のためではありません。
山仕事を優先させなくてはなりません。作業は休日でも行われます。
少し広くなった所は本来は大型車同士のすれ違いのために作られています。
そこらのスペースを登山者が一日中占有してしまっては大型車の離合に差し支えます。仕事優先で考えなくてはなりません。
駐車場からあふれ出た車が林道を封鎖してしまってはいけません。
林道では休日でも林業用や工事用の大型車の通行があるのですから、
車線をふさぐような、無余地駐車は絶対にやってはなりません。
カーブで少し広いところも大型車にとっては内輪差でぎりぎりになることが多いのです。 カーブの駐車も危険です。
もし路肩に車を置くとしたら、残った車線幅を歩数で確認して見る必要があります。
大型車の車幅は2.5mであっても、大型車は路肩には寄れません。路肩が崩れ転落の可能性があるからです。仮に簡易舗装してあっても、路肩は弱いのです。駐車しても十分な余地が出来ないところでは駐車出来ません。
林道の規格が低いところでは(この方が自然環境に優しい林道ですが)ことに駐車余地はとれません。
そんな消去法で駐車スペースの選定を行うと当然、目的の登山口からはどんどん離れていきます。間違いのなく迷惑の掛からない車の駐車スペースなど本当に限られているのです。
さらに、積雪期になると、さらに駐車は難しくなります。国道や主要幹線地方道のような除雪サービスはまずありません。まあ一応、最終民家まではレベルの低い除雪サービスがあったとしても、それより奥は、発電施設があるとか通年施工の工事が施工中とか何か特別な理由がない限り、その先は除雪対象にはなりません。
除雪があっても、除雪したあとの堆雪が道幅を狭めてしまいますので、駐車場所は更に少なくなります。除雪作業の妨げになるような駐車はできません。
除雪がなければ更に奥へ進める距離は本当に限定されます。一度スタックしてしまえば脱出に20分30分があっという間にたってしまい、気分的にも体力的にも物凄く消耗してしまいます。
仮に無理して駐車予定のところについてもそこでのUターンも困難な作業になります。
山を登る前には、体力を温存するためにも、歩いた方がぐっと楽に早い場合が多いのではないしょうか。
また除雪のない所で、仮に幸運にも奥までいって駐車できても、登山中に不意の大雪の降雪があったりして、下山後、車が動けない場合も起こりえます。
近頃では、除雪対象外の林道で無謀な4WD車が無理矢理にクロスカントリー走行しスッタックして自力脱出できなくなり地元の人にSOSの助けを求めたり、無防備な車がつっこんでしまって、場合によっては車だけ山中に越冬などの事故が頻発することになると、道路管理者がゲートをもうけ、遮断機や閉鎖扉での冬季閉鎖などの処置がとられたりします。
山では標高が少しでも低ければ格段に積雪量が違っています。より高く迄車で行こうとするから、トラブルに巻き込まれます。
冬は絶対に安全と思われる、下の方で、十分な駐車スペースのある場所へ駐車し、そこから歩く覚悟がないといけません。
以前山中で震度4位の地震に出会ったことがありました。
大きな地震でしたが震源地からは離れていて、山道では別にどおということはなかったのですが、下山して林道にでてきたら、至る所で林道は結構、崖が崩れていました。
地震があった場合、車は山中で閉じこめられてしまう可能性があります。
それでも最終民家までは比較的早く復旧するでしょうが、それより奥は後回しです。
安心を求めるなら、奥まで車を入れないで、まず歩きを基本にすべきなのです。
自然条件が厳しいところですから山奥の林道で、崖崩れは日常的に発生します。大雨、雪解けでの崖崩れ、など山奥の林道の状態は刻々変化していきます。ちょっとした大雨があったら、まず多少とも崩れがあると思った方がよいのです。
仮に雨が降っていなくても山間地では地滑りがじわじわ進んでいるところも多いのです。
山道で倒木があったりしても、人間だけなら軽く乗り越えていけます。ガレ場や崩壊箇所でも状況を見極めた上で細心の注意を払いながら通過できます。
しかし車は倒木一本で通れません。大きな落石一つでもう通行止めです。
大きな崖崩れは復旧に何ヶ月も掛かります。場所によっては何年間も通行どめになります。帰り道を遮断され閉じこめられてしまった車を見かけたこともあります。
国道や主要幹線地方道なら生活に直結していて影響がおおきいので、緊急的に仮設の復旧道を迂回させて作ることもあるでしょうが、山奥の林道末端での崖崩れなど慌てることなどありませんので後回しです。
崖崩れの心配もしておく必要があります。
2003年5月30日制作
2006年3月21日 更新
http://www.lnt.org/
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