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サバイバルとは


生き抜こうとする意志


生き抜こうとする意志

「サバイバルとは主として精神上の問題であり、もっとも重要なことは、どんな困難な状況であっても、生き抜こうとする強い意志を持ちつづけることである。
これは 第2次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争の時に、孤立を強いられた数多くの兵士達が身をもって示した事実である。

仲間が いようが いまいが、困難な状況なもとでは、絶望感や恐怖心、ショック、孤独感や倦怠感といった情緒的な問題が必ずわれわれを襲ってくる。
さらに加えて、けがや痛み、疲労や飢餓、渇きが生きる意志をそごうとする。

そんな時、これらの障害を克服し、最悪の事態を避けうるのは、生き抜こうとする強い意志を備えることである。

これが、われわれの生還のチャンスを拡大するのだ」

『サバイバルマニュアル アメリカ陸軍』鄭 仁和 訳・編 朝日ソノラマ 1982

サバイバルを考える上で 気になる映画 その1

サバイバルを考える上で 気になる映画

その1

『アライブ‐生還者‐』 http://www.seikansha.jp/

1972年アンデス山中での航空機墜落事故。

極限的なサバイバル状況のなかで、究極の選択をして、45人中16人生還。

この とても 複雑で 難しい問題を扱った ドキュメンタリー映画。(2007年制作)(DVD)

この航空機事故を扱った映画として、ほかに「生きてこそ」1993年(DVD)もある。




「----文明社会に戻ったとき、激しく苦悩する。他人に指弾されることも さることながら、罪悪感と自己嫌悪の苦しみのほうが強い。----------
払おうにも 払いきれない罪悪感はともかく、少なくとも助かったという実感があるのではないかと言ったところで、良心の呵責は軽減されないのである。」
カニバリズム『SAS サバイバル百科大全』

サバイバルを考える上で 気になる映画 その2


サバイバルを考える上で 気になる映画 その2

「八甲田山」

新田次郎『八甲田山 死の彷徨』の映画化。(DVD)

無事だった弘前隊と遭難した青森隊。両隊が対比されながら 物語が進む。

弘前隊の雪中行軍は順調に進むものの、軍隊組織でありながら 指揮命令系統の混乱が招く青森隊の悲劇。210人中199人死亡。


サバイバルとは


サバイバル

サバイバルは 単に 軍事技術というわけでもない。
一般民間人が 風水害 地震などの 天災で 普段の文明生活から一転して サバイバルの生活に陥る事もある。

また 「サバイバルの本」は 下手な登山技術の著作物を 紐解くより ずっと アウトドアでのサバイバルなど 体系的に より具体的に 分かりやすく教えてくれる。
しかし サバイバルの本や サバイバルのDVD映像も、所詮は知識情報だけの範疇でしかすぎない。

サバイバルとは 単に 知識をもつことだけで済むものでもない。
基本的に サバイバルとは生き抜こうとする強い意志を いかに最後まで 持ち続けることが出来るかという ことなのだ。

勿論 サバイバルの状況においては 無知では どうしようもない。
サバイバル知識をしっかりと体得しているという 前提であっても 豊富な知識をもちながらも つねに 新しい知識を補充・修正し続け より実践的な 経験を積み重ねていくことが肝要だ。

だが こうした 積み重ねのなかで 常に 鍛え あげていくべきなのは 「生き続けようとする 強い意志」。

仮に山で遭難しても サバイバル知識の集積 だけでは 生還できるギリギリのワンチャンスを 活かすことなど 出来ない。

刻々と変化する 自身の おかれた状況を的確に把握し 悪条件のもとでも いかにして対応するべきか 分析し 適切な行動を 熟慮のうえ 判断し、断乎として実行していって 難局をくぐり抜けて いくことができるのか。

このとき 生き抜こうとする強い意志を いかに最後まで 持ち続けることが出来るかという サバイバルの基本の「精神的な 強靭さを養う」ことがこそが 生還のチャンスを いかすことができことにつがっていくのではないだろうか?

ALIVE<奇跡の生還者達>I Shouldn't Be Alive


ALIVE<奇跡の生還者達>I Shouldn't Be Alive

http://dsc.discovery.com/fansites/alive/alive.html
生還者の壮絶なサバイバルのドキュメンタリー映像を見ることが出来るDVD、1〜20巻 各巻 約50分。

ドキュメンタリー・ドラマ、ALIVE<奇跡の生還者たち>
感動のドキュメンタリー番組「I Shouldn`t Be Alive」

「絶体絶命の状況から奇跡の生還を果たした人たちの実話をリアルに再現した、ディスカバリーチャンネル制作のドキュメンタリー番組。事件や事故に遭遇した人たちがどうやって助かったか、サバイバルに不可欠なものが明らかになる。」

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20編のドキュメンタリー番組のドラマ「I Shouldn`t Be Alive」は 実際に起こった 奇跡の生還ばかりの実話集。

一編50分 DVD20巻 をじっくり拝見。一編50分 DVD20巻

登山でのサバイバルは2件だが 雪中 海 空 火山 密林 砂漠 無人島 戦場 などなど サバイバルの条件は とても厳しいものばかり。

日本国内では 想像すら つかない スケールのでかい 広大な 地帯での サバイバルばかり。

どのサバイバルも 結果的に生還でき それでよろしい、 おめでたいという という 単なる 生還物語ではない。

 たった一つのミスから次々と 綻びが拡がっていって 窮地に追い込まれていく様が 克明に再現されている。

 それでも いかに 最後の最後まで 生還への希望を捨てずに持ちこたえられたのか。
どんな時に 人間は易きに流れ 取り返しのつかない 凡ミスを重ねていくのか。

考えて 考えて よしこれしかないと 思って 最終決断した 生還への手だては 大自然の厳しさの中で 無惨にも 次々と打ち砕かれていく。

それでも 生還への希望を捨てず 何とかと思って気を取り直しても また 希望は いとも簡単に うち砕かれる。
生還への日々は その落胆の連続ばかり。

その間 体力は衰え 低体温症 凍傷 脱水症 強烈な日射による熱中障害などの 病気で 体力 気力 は低下し サバイバルへの道のりは険しくなっていって 状況は悪化していく。

 せっかく 助けにきた 捜索の航空機を 遭難者は下から 大喜びするもつかのま、 遭難者が一生懸命 手を振るもののの 下から見えたのに 上空からは結局 見つけられず 航空機は飛び去っていってしまう。

一度 生還をつかんだと 喜んだ あとの 落胆は より深い絶望感をもたらす。
翌日も 航空機は 遭難者を見つけられず また飛び去ってしまう。

こうして ドンドン深まる絶望感。

だがそれでも 希望を捨てずに 何とか 生き抜こうとする 意志の力を持ち続ける 遭難者。

最後は 結果的に 地元の住民や漁師に偶然発見されたりして、事態は 急転直下解決。

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DVD20編を見たあと さらに 下記URLサイトにある サバイバルエキスパートによる サバイバルの模範的な 行動 や サバイバルTIPS サバイバルマニュアルなどを じっくり 拝見した。役に立つ。

http://dsc.discovery.com/fansites/alive/alive.html

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凶暴な野生動物が多く 生息する地帯。

ジャングルには ジャングルのエキスパート。
砂漠には 砂漠のエキスパート。
海には 海のエキスパート。
それぞれの地域でエキスパートに習うことがたくさんある。

 留まるのが良いのか 助けを求めて 移動するのが良いのか?次々と 厳しい 判断など 判断のよりどころは どこに 求めるべきか。

それぞれの 状況に応じて 対応は異なる。

そして なにより 大事なのは準備段階。
 最初から  キチンとした準備を怠りのないように すること。

最後まで 生き抜こうとする 意志の強さが求められるのは 野外活動の 準備段階から もう すでに始まっているといえる。

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下記の実話のなかで 遭難者がGPSを使っての 場面が出てくるのは1件 だけ。

このアフリカの軽量飛行機墜落事故での、GPSも通信手段がなく 全く 遭難救助には 機能しなかった。

他の殆どのケースでは 位置情報がはっきり分かって通信手段がしっかりして いれば こんなサバイバルするような事にはならなかった。

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今日 GPS 衛星携帯電話 がさらに普及し 位置情報 全世界的通話可能な通信手段が簡単に手に入り、 コスパスサーサット衛星による EPIRB PLB ELTなど救難信号システム SPOTなどの救難システムは格段に 進歩してきている。

位置情報と 通信手段がしっかりしていれば 遭難もへるだろうが、いつでも助けに来てもらえると思えば 人間 かえって真剣に取り組む姿勢が薄れ 安易に取り組んでしまう危険性が高まる恐れもでてくる。

現代のハイテク技術の それらの電子部品が 使えないでも 基本的な対応だけで これだけの苦難を乗り越えて サバイバルができるという点で このDVDは とても多くの教訓を与えてくれ とても 良いサバイバルの勉強になりました。 

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■1.巨石の十字架〜死へのカウントダウン〜

 オーストラリアの島で 落石に遭い。挟まれ動けなくなる。両足切断。
 単独だったが 偶然知り合った 同行者に 通報してもらう。

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■2.ジョーズ・アタック〜人喰いザメの恐怖〜

 メーン州からフロリダ州へのヨット航海中、嵐で沈没し、ゴムボートで5日間220km漂流し 2人生還。3人死亡。
ヨットの 荒天への対応、浸水始めたときなど 緊急処置。退船時の 正規の救命ボートへの移動の仕方、ロープ伝いに移動するとかが欠如し 救命ボートを見 失い 窮地に陥る、 さらには SOSの発信 海図なし、クルー間の連携に難点 など 問題点が 浮かび上がる。

渇きから逃れようとして 海水を飲んだ2名は 錯乱し 死亡。

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■3.密林の迷宮〜アマゾンからの脱出〜

 チームワークが崩壊し バラバラに空中分解。
4人中 2人生還。うち一人は35日目生還。2人行方不明。
密林でのナビゲーションの難しさ。 川で苦労するが 川で助かる。

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■4.獣の群れ〜猛獣との孤独な戦い〜

 超軽量機が墜落、動けなくなる重傷したものの、野生動物の生態が分かっているので 動物の襲撃から身を守ることができ助かる。GPSはもっていたが 位置情報は得ても 通信手段なく 全く動けない。渇きとの戦い。

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■5.二重遭難〜壮絶 アラスカの雪崩〜

 岩壁から墜落。雪崩に遭い、クレバスに落ちる。一方 救難の 軽飛行機は 墜落。
何故 雪崩を避ける 移動をしなかったのか、通信手段を持たなかったのかが疑問。

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■6.死の漂流〜太平洋の二人 友情か死か〜

 シーカヤック 漂流。シーカヤック初心者には全く無理なコースなのに 友人との対抗意識だけが先走り さもベテランのように振る舞う 全くのシーカヤック初心者。謙虚さが無いのが 最大の弱点。ベテランの友人は 先に海峡を渡り 上陸し 救援を通報した。
一方 初心者は シーカヤックの操船が出来ず 海峡上で 四苦八苦のうえ こともあろうに カヤックを放棄し 海峡を泳いで 渡る決断。これが さらに窮地に追い込まれる 大失敗へと続く。
フラッシュライトなど救難用の装備もカヤックに置いてしまい 捜索の航空機は飛んでくるし 沿岸警備船も捜索するも 見つからない原因になった。
最終的に 初心者が 助かるのは 鍛え上げた 体力抜群のスポーツマンだったこと。
しかし これが 事態を甘く見て 無理をした 要因にもなった。
生還2名。

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■7.鋼鉄の棺〜猛吹雪 死のドライブ〜

 サンフランシスコからアイダホ州ポカテロへの家族ドライブ中、雪の中に閉じこめられる。 9日目 生後4ヶ月乳児含め生還3名。米陸軍関係者で鍛えられているためか。

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■8.戦場からの招待状〜密林 ゲリラからの逃避行〜

地雷除去のボランティアなのに クメールルージュに囚われる。何とか無事生還。だが二年後アフリカで地雷爆発。片手 片足 失うものの その後、サハラマラソン 見事完走。

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■9.死の無人島〜幻想の楽園 決死のサバイバル〜

 荒天で釣り船難破。メキシコ 無人島に漂着。島で数日 サバイバル生活し。2名生還。
 スペイン語が役に立つ。

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■10.冷血の洞窟〜親子の絆 死のスキー旅行〜
 
親子で トルコ スキー下降中に悪天候で道迷い。洞窟へ避難。10日目、2名生還。
サバイバル訓練受けている米空軍所属。

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■11.暗黒の漂流〜失われたバケーション〜

 メキシコで飛行機墜落 海で漂流 4人生還。墜落時 正確な位置を緊急通報出来なかった。救命胴衣 信号 救難グッズが不足。捜索の航空機に 漂流者がシグナル合図できない。

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■12.地獄の空中撮影〜灼熱噴火口からの脱出〜

 ハワイ活火山 火口にヘリ不時着。3人全員生還。

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■13.死神の棲む峡谷〜兄弟の絆 極寒の試練〜

 ユタ州 溪谷歩きで 一名骨折動けなくなるが 無事2名生還
 時間配分に失敗 焦りから 転落。

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■14.荒野の墓標〜壮絶 カラハリ砂漠からの脱出〜

 アフリカ飛行機事故 6日目 生還。位置の把握が出来ず 飛行コースを誤って飛んでいて その後も その失敗に気がつかなかった。

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■15.死のラフティング〜巨大グリズリーからの逃避行〜

 親子でアラスカ 筏下り するが沈没 失敗。川下りのシーズン一番乗りを目指して 例年のシーズンイン半月前に入って まだ凍結した川に 遭遇。沈没、装備失い サバイバル。
うち一名が 救援を求めて 行くが 大河で渡河できず 行き詰まる。結局 5日目 2名生還。

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■16.ボーイスカウト 死の散策〜グランドキャニオンの悲劇〜

 ガイドも動けなくなる 気温上昇で水不足。渇き 1名死亡。

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■17.ザンベジ川の生贄〜影なき捕食者たちの恐怖〜

 川で ボート沈没。全員生還。救命胴衣不十分。水中の野生動物の動きに注意。

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■18.死地への案内図〜アマゾン 出口なき彷徨〜

 道迷い、地図無し。話に夢中 ルートを見失う。それでも 迷ったところから 注意深く 戻れば 良かったのが うろ覚えの地図で方位逆方向に彷徨。深みに入り。6日目 2名生還。

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■19.死界への浮上〜恐怖のスキューバダイビング〜

 ダイビングして浮上したら ボートが遠くに離れて漂流、27時間、鮫の海を 30km泳いで 生還2名。
漂流対策のシグナル類 ダイブアラート、シグナルフロートなど。装備無し。さらには船の乗組員の能力 注意不足など 悪いことが重なった。

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■20.悪夢のホワイトアウト〜標高6000メートルの猛吹雪〜

 アラスカ マッキンリー 悪天候 3名生還。悪天候に対する予測が甘かった。
5900mくらいで ヘリ救助。

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BLOG記事
ALIVE<奇跡の生還者達>I Shouldn't Be Alive

日本国内の 山岳遭難で 生還できた 例


日本国内の 山岳遭難で 生還できた 例は 下記の 本などに出ている。

生還 山岳遭難からの救出』羽根田 治 著 山と溪谷社 2000年

山の遭難 生きた、還った セルフレスキューの秘訣』永田 秀樹 編 東京新聞出版部 2005年


些細なミスから 窮地に陥り さらに天候など 状況が悪くなっても、なんとか 無事に 救出されたのは 運が良かったのだろうが 生還への強い意志をもちつづけていなくては 運が巡ってこなかった。

判断ミスが 状況を悪化させ さらに 負の連鎖となる 判断ミスに続き さらに 窮地に陥る。絶望の淵でも まだ 最後まであきらめることなく 生還への 強い意志を持ち続けること。


救出の航空機に見つけてもらえず がっくりと 気落ち。
しかし 希望を捨てずまた次の チャンスのために 生き抜こうとする 強い意志。

最後まで 諦めなかった 強い精神力を持ち続けることで生還できた。
しかし サバイバルの本を読むだけでは 強い意志を持ち続けることなど 難しい。

ALIVE<奇跡の生還者達>I Shouldn't Be Alive

無事生還した後で 


壮絶なサバイバル体験をへて 何とか無事生還した後で 

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■「I Shouldn`t Be Alive」巻の終わりに

ドキュメンタリー番組のドラマ「I Shouldn`t Be Alive」

ドキュメンタリー番組のドラマ「I Shouldn`t Be Alive」では 無事救出され 生還した後 巻の終わりに その後 現在では 生還者がどういう生活をし アウトドア行動など再開しているかなど ワンフレーズで簡単に触れている。

地雷で片手 片腕 失っても サハラ・マラソンを完走する人もいるが、もう ダイビングはしないとか、釣りはしないとか 不明になった人をさらに捜し求めて 奔走するとか 人それぞれに 様々な サバイバル後の人生を送ることになるのは 大変 興味深いことである。

実は極限的な サバイバル体験をして 無事救出されても その人にとっては あまりに強烈な体験だっただけに 精神的な後遺症に悩む場合が多いようだ。

これをPTSD(心的外傷後ストレス障害)と単純にいっていいのか はよく分からない。

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■トムラウシ遭難の生還者

「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウム2010年2月27日開催

「トムラウシ遭難事故を考える」シンポジウムで生還者の発言。

「つらい事ばかりで何も言いたくないが、 生きて 帰ってきた者としては 生きて 帰ってきたこと自体が罪になるのではないかという気持ちです。生還した人は これから 十字架を 背負って生きていくのではないかと思う。」

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■『ドキュメント道迷い遭難』

『ドキュメント道迷い遭難』

『ドキュメント道迷い遭難』 羽根田 治 著  山と溪谷社 2006年1月のなかで 道迷い遭難後、無事生還したものの、その後の対応で すっかり消耗し、精神的ダメージを受けた例がでていた。

 「-----山にも殆ど行っていない。騒動のあと心因性の神経症にかかってしまい、躁鬱や 対人恐怖 過食 過飲 引きこもり などに苦しむ日が長らく続いたからだ。------かつての山仲間も「早くカムバックして山に行こう」と声をかけてくれる。が、あれほど楽しかった山にまた行きたいと思えるまでには、まだ至っていない。あのときのトラウマは、いまだ癒えずにいる。」
『ドキュメント道迷い遭難』 羽根田 治 著  山と溪谷社 2006年1月

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■太平洋37日間漂流 元船長 まだ 漂流が続いていた。

サバイバル状況から脱出して 無事 生還した後も まだ 色々なことが 出てくるのは あまりにきつい精神的なダメージにより 精神的な不安定さを引き起こし PTSDとかいわれる症状になったからだろうか。

太平洋を37日間漂流し 無事 救出されたの 某 元船長は『あきらめたから いきられた太平洋37日間漂流船長はなぜ生きられたのか。』の本の出版や 講演で 一時 引っ張りだこになる。

その結果 収入が増え 漁業からも遠ざかり アルコール依存症、精神科入院、路上生活の末、窃盗事件で有罪の判決という経過をたどった。

元船長にとって37日の漂流の後の あの「奇跡の生還」もたんなる 一時的な「仮の生還」にしかすぎず 平穏な漁業生活を続けられるような 本当の意味での生還にはほど遠く その後も まだ まだ 漂流が続いていくことになった。

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■罪悪感を乗り越える

「さまざまな状況に我々を追いこむサバイバル環境は、時として予期せぬことを準備し、悲惨な場面すら用意している。

生命の損失があったことは、軍事的使命または事故の一つの結果である。

生き残ったのは、おそらく自分一人か数名だろう。

当然 、生きていることに安堵する一方、不運にも死んだ仲間を嘆き悲しむに違いない。

仲間が死んで自分が生き残ったことに罪の意識を持つのは稀なことではない。

この感情が積極的に利用された場合、これまでの幾多の例でも、この感情は「生き残った者は人生において、より大きな目的を成すために生かされたのだ」と信じることによって、サバイバーに過酷な障害に立ち向かう勇気を与えてきた。

あるいは、死んだ者の遣り残した仕事を彼らに代わって遂行するために生きようとする生還目的と生存意欲を与えてきた。

君が君自身に与える理由が何であれ、死者への罪悪感が生への妨げにならないようにしなければならない。

生き残ろうとした死者たちの意志を放棄した生き方では、何も成し遂げられない。そのような行動は最大の悲劇となる。」

「米陸軍サバイバル全書」並木書房2002 鄭 仁和訳

無事生還した後で


2010年3月13日 第1版制作
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